手芸トピックス
2013.04.10
メディア
『文藝春秋』に掲載されました
「手芸針の町 広島‐全国シェア9割を誇る針の産地」
『文藝春秋』,2013年5月号,P.68
2013年4月10日発売
2013年5月号の『文藝春秋』、P.68で広島針の歴史について、また広島針の最大手メーカーであるチューリップの高い製針技術とブランディングについて紹介されています。
〈以下要約〉
手縫針や待針、レース針など手芸針の生産高で全国の9割以上のシェアを誇る広島。
その歴史は約300年前、長崎から伝わった製針技術を広島藩が下級武士の手内職として普及させたことに始まり、大正時代にはいち早く機械化を進めていた広島の針メーカーは東洋一の製針地と呼ばれるまで規模を拡大した。
チューリップは、後発メーカーながら、高い製針技術に加え、早くから自社ブランドを立ち上げ海外市場に目を向けた戦略でシェアを伸ばしてきた。
鋼線から一本の針が完成するまで、その製造工程は約30点にも及ぶ。鋼線を切断し、針先を削り、針穴をあけ、熱処理を加え、全体を研磨する。
中でも針の安全性を左右する折れにくく弾力性のある胴体は、熱処理の微妙な温度管理によって決まる。
広島針の特徴は「布通りのよい針先」や「折れにくく曲がりにくい胴体」など抜群の扱いやすさにあり、国内だけでなく、世界の手芸愛好家からも、高く評価されている。
一本の針づくりに込められた技術と思いは遠く海を越え、多くの人の心に通じているのである。