手芸トピックス
チューリップ針祭
日本の年中行事に“事八日”があります。
事八日とは、一般的に12月8日の“事納め”、翌年の2月8日の“事始め”のことを指します。
チューリップ(株)(広島県広島市)では、手芸針・電子用針を製造・販売するメーカーとして、例年12月8日に製造部門では安全祈願のための“ふいご祭り”を、営業部門では針に感謝をする“針供養”を事業所ごとに行ってきました。
ふいご祭りは、古くはふいごを使って仕事をする職人が、ふいごを清めて祝う行事でした。チューリップ(株)では、その流れを受け継ぎ、火の神様に感謝し、工場の安全・繁栄を祈願しています。
ご存じの方も多い針供養は、針仕事に携わる人が、折れたり、曲がったりして使えなくなった針に感謝の気持ちを込めて、柔らかい豆腐やこんにゃくなどに刺して供養し、裁縫の上達を願う行事です。チューリップが出展するイベントでは、“針供養箱”を設置し、皆様から使えなくなった針の回収を行ってきました。供養箱に収まりきらないほどの針が集まり、針に携わる人の多さを実感するとともに、大切に使ってきた道具の処分に困っていた皆様の様子が思い浮かばれました。
チューリップでは、“チューリップ針祭”として、安全祈願のふいご祭りと針への感謝の針供養を執り行っています。お預かりした針を祭壇に並べ、日ごろお世話になっている針への感謝と皆様の裁縫技術向上を願うとともに、来年も安心安全に針づくり出来るよう祈願いたしました。供養した針の一部は、加計附地工場(広島県山県郡安芸太田町)の敷地内に令和4年12月に新設された針塚に納められました。残りの針は、専用業者にお渡しし、また新しい鉄の材料にリサイクルいたします。
伝統的な針づくり、行事を守りながら、これからもより良い製品を作り続けられるよう、一層身が引き締まる1日でした。