毎年十二月八日、針という道具に感謝し、弊社では針祭を行っています。このお祭りでは、針への感謝の気持ちを示し、供養する「針供養」と、ものづくりをする現場の安全、繁栄を祈願する「ふいご祭り」、二つのお祭りを日本の伝統的な風習として執り行います。
道具は「道に具える」と書きます。日本人にとって道具とは、単なる物ではなく、人に使われ続け感性を磨くためにあります。だからこそ、手間と時間をかけて生み出されます。
このお針箱は、「必要な時にさっと使えて、長く愛用できるお針箱が欲しい」というお客様のお声から生まれました。普段使いの針と、日本が誇る手仕事による道具の品々を組み合わせています。物を大切に使う日本の文化を、世界中の人々にひろげていきたい、一人でも多くの方に、手縫いを楽しんでいただきたいと願っております。
道具を入れる箱には、京都で一点一点作られている桐箱を選びました。桐は、軽く、木目の美しい木材です。空気中の水分を吸収、発散する特性があるため、桐箱の中の湿度を一定に保つ効果があります。
多湿で四季の移ろいがある日本では、呉服や帯、焼き物、能楽の面や装束、仏具や教典など、さまざまなものを桐箱に入れて保管してきました。職人技が光る気密性の高い桐箱は、中の道具を長く保護してくれます。
京都で帯図案や扇子、仏画、桐箱などを手掛ける絵付け作家の手で、一点一点描いています。
裁縫に欠かせない鋏は、握り鋏にしました。握って、すぐに糸を切れる操作性が魅力です。選んだのは、兵庫県の伝統産業である播州の握り鋏。寛政二年(一七九〇年)に製造が始まったとされ、今も熟練の職人により一丁一丁、手作りされています。切れ味は素晴らしく、日本が誇る 〝用の美〟を備えた逸品です。
竹尺は、日本古来のものさしです。
竹は真っすぐ成長し、温度による変形をおこしにくいため、長く使用することができます。
糸通しの持ち手、針やま、鋏入れ、糸巻きは、着られなくなった着物を素材に使用しています。絹の着物地を選び、手縫いで小物へ再生しました。着物は、一枚一枚にまとう人の幸せを願う心が込められています。デザインには、四季折々に姿を変える豊かな自然の中で培われた日本人独自の美意識が表現されています。
お針箱 染井吉野
お針箱 八重桜
お針箱 富士に桜
お針箱 富士に紅葉
お針箱 桜
お針箱 黒猫
お針箱 白猫
お針箱 手まり
お針箱 折り鶴
お針箱 宮島
手縫針 針ものがたり 寸法(mm)
厚地用 / 大くけ(0.84×51.5)2本、
普通地用 / メリケン針 No.7長(0.69×39.7)2本、
刺繍用 / フランス刺繍針 No.7(0.69×38.1)1本、
薄地用 / 四ノ三(0.56×39.4)2本、
まち針 / もみじ(0.55×48.0)3本
播州の握り鋏90mm、鋏入れ、針やま、糸巻き(白糸、赤糸、黒糸)、糸通し、竹尺100mm、桐箱
W130×H75×D100(mm)
手縫針 針ものがたり 寸法(mm)
厚地用 / 大くけ(0.84×51.5)2本、
普通地用 / メリケン針 No.7長(0.69×39.7)2本、
刺繍用 / フランス刺繍針 No.7(0.69×38.1)1本、
薄地用 / 四ノ三(0.56×39.4)2本、
まち針 / もみじ(0.55×48.0)3本
播州の握り鋏105mm、鋏入れ、針やま、糸巻き(白糸、赤糸、黒糸)、糸通し、竹尺100mm、桐箱
W105×H78×D150(mm)
手縫針 針ものがたり 寸法(mm)
厚地用 / 大くけ(0.84×51.5)1本、
普通地用 / メリケン No.7長(0.69×39.7)2本、
薄地用 / 四ノ三(0.56×39.4)1本、
まち針 / もみじ(0.55×48.0)3本
針やま、糸巻き(白糸、黒糸)、糸通し、竹尺100mm、桐箱
W78×H37×D122(mm)